効果的なトレーニングメニューの作り方・その4~「セオリーと組み立て方」
初心者にも分かりやすく、中級者以上にステップアップしたい人にも為になる。
トレーニングメニューを組むために必要な基礎知識をプロトレーナーが紹介していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
前回は、トレーニング種目の種類について話をしました。
効果的なトレーニングメニューの作り方・その1~「体を分割して考える」
効果的なトレーニングメニューの作り方・その2~「生活スタイルを考える」
効果的なトレーニングメニューの作り方・その3~「バリエーションを増やそう」
第4弾の今回は、「セオリーと組み立て方」について書きます。
まずは基本のセオリーを知ろう
トレーニングメニューを組むために知っておきたいセオリーをいくつかご紹介します。
まずは、これらの基本ルールをベースにトレーニングメニューを組んでみましょう。
その後、プランニングと実践を繰り返していけば、誰でも簡単に応用できるようになっていきます。
・小さい筋肉より大きい筋肉が先
たとえば、ベンチプレスの前にスカルクラッシャーをするメニューを組んだとします。
先にスカルクラッシャーをする事で、上腕三頭筋が疲労し、力が入らなくなってしまいます。
すると、ベンチプレスの重量を上腕三頭筋の疲労具合に合わせざるを得なくなります。
そうなると、そもそものトレーニング種目のボリュームも稼げなくなるだけでなく、大胸筋を追い込むことがとても困難になってしまいます。
これが、上腕二頭筋と大胸筋など、直接使う筋肉でなくても同じことです。
大胸筋・広背筋・大腿四頭筋・ハムストリングスなど大筋群をメインとする日は、大筋群の種目を一番体力がある最初にやるようにトレーニングメニューを組みましょう。
・下半身より上半身が先
大筋群の中でも、下半身の筋肉である大腿四頭筋やハムストリングスの方が、上半身の大筋群よりも体積が大きいです。
より大きい筋肉は、トレーニングで疲労した時により多くの酸素を必要とします。
下半身のトレーニングをやった後に、上半身のトレーニングをしても、力が出にくかったり、集中できなかったりします。
さらには、酸欠を起こして、トレーニングを続けられなくなる場合もあります。
上半身と下半身を同じの日のメニューに入れる場合は、上半身の種目を先にしましょう。
・アイソレート種目よりコンパウンド種目が先
コンパウンド種目と言うのは、複数の関節を同時に連動させて行う種目のことで、基本的に比較的高重量が扱える種目が多いのが特徴です。
また、アイソレート種目の方が単一の関節の可動に集中できるため、丁寧にターゲットに効かせることに向いています。
まずは、コンパウンド種目で高重量トレーニングを行い、その後、アイソレート種目をしっかりとコントロールできる程度の抑えた重量にし、効かせを重視して行いましょう。
例
ベンチプレス→ダンベルフライ
バーベルスクワット→レッグエクステンション
など
全体のボリュームを考えて、種目数を選ぼう
一度のトレーニングが60分から90分以内におさまるように、トレーニングメニューを組みましょう。
1週間のうちに何回トレーニングができるかを考えると、一回のトレーニングでいくつの部位をトレーニングしなきゃならないのかが見えて来ます。
効果的なトレーニングメニューの作り方・その1~「体を分割して考える」
こちらの記事でご紹介したのは、体を11部位に分けて考える方法です。
これら11部位をそれぞれすべてトレーニングメニューに入れようと思うと、下記のように考えられます。
2分割・・・6・5
3分割・・・4・4・3
4分割・・・3・3・3・2
<2分割の場合>
このように、2分割でトレーニングメニューを組む場合は、Aメニューで6部位、Bメニューで5部位と、かなりたくさんの部位を一度にやらなければいけなくなります。
6部位を2種目ずつやろうと思うと、12種目となってしまい、かなり時間もかかってしまいます。
この場合、ボリュームを抑えるために考えられる手段は、以下の通りです。
1,メニューに入れない部位を決める。
腹筋や腕などの小筋群の種目を削って、トレーニングを行う部位自体を減らす方法
2,複合的な種目でカバーする。
コンパウンド種目で、多くの部位を同時に鍛える考え方
初心者のうちは特に、いろいろな種目を取り入れるよりもBIG3など重要な種目をしっかりとやりこむことが重要です。
小筋群も同時に使えるため、効率が良く、時短にもつながります。
<4分割の場合>
これに対して、4分割までトレーニングをする日を増やせると、一度に3部位だけでメニューが組めるようになります。
1部位3種目ずつやっても、9種目におさまります。
また、部位によっては3種目もやる必要はないので、その分トレーニングを行う部位を増やすことが可能です。
どういうことかと言うと、
腕や肩などの小筋群は、大筋群に比べてサイズが小さい分回復が早く、複数回トレーニングメニューに入れることが可能です。
たとえば、4分割(A、B、C、D)のメニューに
AとCに上腕二頭筋+上腕三頭筋
BとDに三角筋+腹筋
のように、交互に入れることもできます。
このようにして、自身の生活の中で、トレーニングの時間を確立していく中で、トレーニング頻度に合わせたトレーニングメニューを組み立てていきましょう。
愛知県東海市出身
トレーナー歴は、1999年から。2002年に憧れだったプロレスラーになり、メキシコ修業を経て、みちのくプロレスや大阪プロレスにレギュラー参戦。
その後オーストラリアとイギリスを主戦場に海外遠征を繰り返したが、結婚を機にプロレスを引退。2足のわらじからトレーナーに専念し、今に至る。
トレーニング歴は、1996年から。
科学的理論と自身を実験台にした経験を武器に、進化し続ける事を信念とする。